《終了》西蓮寺 仏教講座(第9回)

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イベント概要

イベント 西蓮寺 仏教講座(第9回)
日  時 2022年06月04日(土)9:00 〜 11:00
場  所 西蓮寺
申し込み 終了

 

イベント内容

月に1度開催している西蓮寺の仏教講座です。

「諸行無常」や「諸法無我」。知っているようで知らない仏教思想の基本を学んでいきます。
ここでは「信じる」というより「理解する」というアプローチで、仏教の世界観を垣間見ようと思います。
毎回復習をしながら進めるので、今回からのご参加でも問題ありません。

清々しい空気が流れる朝のお寺。そんな場所から1日をはじめてみませんか?

 

レポート

テーマ:求道 〜仏教の仏道的学び方〜

今回の仏教講座は、同名タイトルで催された対談イベントを受けて企画しました。
これまで本講座では「諸行無常」や「諸法無我」のような、知っているようで知らない仏教の根本思想を扱ってきました。そもそも仏教というのは、転迷開悟(迷いを転じて悟りを開く)を基本コンセプトとします。思い通りにならない私たちの現実を転じて悟り(解決)に至るという発想です。
「一切は苦である」と説いたゴータマの問題意識はどこにあったのか。悟りや涅槃とは何なのか。仏教の基本教理をキーワードとして挙げゲストと対話を重ねながら、少しずつ言葉のイメージを具体化し、仏教が私たちに対して示そうとする世界観を理解することが、本講座のねらいでした。

また私のもう一つの関心は、浄土教で使われる言葉の意味を再考し、自分の言葉で語り直すという作業にもあります。ややもすれば、浄土教は阿弥陀信仰として、西洋的な一神教的世界観と同じような枠組み(つまり信じる主体と超越者による契約思想)として理解されることもあります。ただ当然ながら浄土教も仏教なので、転迷開悟のコンセプトを継承しているわけですが、「阿弥陀様の本願力によって信心をめぐまれ、”南無阿弥陀仏”を申す人生を歩み、この世の縁が尽きるとき、浄土に生まれて仏となり、迷いの世に還って人々を教化する」なんて言われてしまうとどこか絵空事に聞こえてしまいますし、こうした「信仰の世界」は現代人にとって無関係な(不要な)ものと一蹴されてしまうかもしれません。そもそも外部に(超越者のような)何かを立てそれについすがってしまう人間の傾向性を否定してきた仏教が、なぜこうした物語で仏教を語ることに終始しているのだろうという疑問もありました。

そのあたりへの興味からこうした講座を企画してきたわけですが、いくら仏教の基本教理に詳しくなったところで、質的な変化というか、自分の中に深まりが無ければ、転迷開悟(迷いを転じて悟りを開く)を基調とする仏教プロジェクトとしては、不十分と言わざるを得ません。
仏教は、当然ながら、信じることや理解することが目的ではありません。(藤田一照さんの言葉を借りれば)思い通りにならない人生を自分の足で歩いていけるようになることが仏教の妙味であり、自分の足で歩けるようになったならば仏教の教えすら手放すことを厭わない、まさに行雲流水で生きていく。ここに仏道の勘所があるような気がします。

仏教思想を中心に扱ってきた本講座で、「仏教の仏道的学び方」を共有でき、とても充実した回となりました。

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