
イベント概要
イベント | 西蓮寺 仏教講座(第29回) |
テ ー マ |
物語はひとを苦しめるのか、救うのか。 |
日 時 | 2025年05月03日(土)9:00 〜 11:00 |
場 所 | 西蓮寺 |
イベント内容
月に1度開催している西蓮寺の仏教講座です。
「諸行無常」や「諸法無我」。知っているようで知らない仏教思想の基本を学んでいきます。
ここでは「信じる」というより「理解する」というアプローチで、仏教の世界観を垣間見ようと思います。
毎回復習をしながら進めるので、今回からのご参加でも問題ありません。
清々しい空気が流れる朝のお寺。そんな場所から1日をはじめてみませんか?
レポート
ゲスト:髙田菜美さん(臨床心理士・公認心理師)
扱った内容:物語(ナラティブ)、無疑と不疑
臨床心理学や発達心理学がご専門の髙田菜美さんをゲストに招き、私たちの生に多大な影響を与える「物語」というテーマを中心に議論しました。カウンセリングという技法についてほとんど知らなかったため、カウンセラーの役割について伺いつつ、個人主義と規範意識、ナラティブセラピーなど話題は多岐に渡りました。
前回、前々回の講座のテーマは「信とはなにか」だったのですが、たとえば鎌倉仏教の旗手のひとりである親鸞は、「ただ念仏して弥陀にたすけられまいらすべし」という物語に「まかせる」というかたちで、生死の問題を越えようとします。一方で、禅の道を歩んだ道元は「ただひたすら坐り…」といわれるように、われわれが今すでに握りしめている「物語」を解体することで、同様に生死の問題に決着をつけます。一見すると、「物語」に対して両者は正反対の対峙の仕方をしているように思われます。
物語を信じることで救われるのか、はたまた物語を解体することが救いなのか。そんな漠然とした問いを掲げて講座を企画しました。