
イベント概要
イベント | 西蓮寺 仏教講座(第15回) |
テ ー マ | 苦と他力の構造 |
日 時 | 2023年03月04日(土)9:00 〜 11:00 |
場 所 | 西蓮寺 |
イベント内容
月に1度開催している西蓮寺の仏教講座です。
「諸行無常」や「諸法無我」。知っているようで知らない仏教思想の基本を学んでいきます。
ここでは「信じる」というより「理解する」というアプローチで、仏教の世界観を垣間見ようと思います。
毎回復習をしながら進めるので、今回からのご参加でも問題ありません。
清々しい空気が流れる朝のお寺。そんな場所から1日をはじめてみませんか?
レポート
扱った内容:仏教は何を問題にしているのか、他力(無条件)とはどういうことか。
ゲスト:吉武文法さん(北海道・法覚寺)
人生の中に不満足があるのではなく不満足から生じるのが人生である。仮に仏教の人間観をこのように表現すると、そこにどのような解決の道が開けるのか。苦(ドゥッカ)と他力(=無条件)という言葉を中心に議論を深めて参りました。なお講座に先立って行った打ち合わせでは次の論点を問題として共有しました。
「真宗学というのは、三階の屋上から「すばらしい景観だよ」と叫んでいるのに似ている。地上のものが「どうしたらそこへ行けますか」とたずねると、とにかく昇ってごらん、すばらしいぞ。といっているようにおもわれる。地上の人はそこに上がる道を求めているのに、屋上の人は何らその道を教えようとしないで、とにかく来いといっているようだ」と皮肉をいわれたことを想い出す。人々は聖人の到達した世界への道を模索しているのに、その道を示そうとはしないで、結論だけを語っているのではないか、という批判も、その意味であたっているようにおもわれる。(『親鸞教義の誤解と理解』)
つまり親鸞にとって結論(他力・無条件)だったものが、私たちには前提として説かれてしまうので、素直に頷くことは難しいのではないかということです。頷きや納得は救いに必要ないのでは?といった反論も予想されますが、なかなか軽視しづらいポイントです。
時間の都合上、結論部分には至ることができませんでしたが、良い思索の種をいただきました。